2006-08-29

ロングテールでの集客がローコストだと知ること

昨日の続き(ロングテールとは「意地になって探す」の集客である)。

話が判りやすいように、ECサイトを題材としてみる。

おいしいよー!匠が作ってるよー!素材を厳選しているよー!
といって、聞き耳持つ人がいるか、冷静に考えてみて欲しい。

ネット通販の数十万件のほぼ全てが、同じことを言っているんですよ!

しずる感(見てたらよだれが出るような)のある写真を使え!と言うけど、
まともな所はほとんど良い写真を使ってます。使っていないのが売れないのは事実だが、じゃあ、それを裏返して「使ったら売れる」というわけにはいかない。
下を見てもしょうがない。上を見たら何万件も良いサイトはあるのだから。

ここでちょっとLPOの解説をば。

LPO
そのページに来た人が、スクロール無しで5秒以内でしずる感のある写真と、信頼できそうな生産者の顔写真と、価格と、見出しのキャッチフレーズと、カートに入れるボタンを目に出来るようにページレイアウトをすること。ランディングページ最適化という。
サイト訪問者の目線の統計(アルファベットのFの文字の形に目線が動く統計)を意識したり、サイト内ですぐに他の商品も探せるメニュー設計や、類似商品を動的に奨める仕組みや、ワンボタンでブックマークされるようにスクリプトを用意したり、RSSフィードを配信して、新着やキャンペーンを告知できるようにもするべきだ。

最初の800×600のブラウザ画面内に上記を効率的に表示し、情報は削りに削る。
縦600のうちの下100ピクセルに詳しい解説が始まるような設計が理想。

プロセス1 ~初動インプレッション
写真で欲しいと思わせる→生産者の顔で信頼感を生ませる→大きく短いキャッチフレーズで煽る→値段がわかる→買い方がややこしくないとわからせる→第三者の口コミがあるので安心する

検索で商品を探している人は、これを8秒で行う。このプロセスで心に引っかからなければ去っていく(戻るボタンで検索エンジン画面に戻る)。

プロセス2 ~お客の行動を妨げない/誘導する
訪問者は、プロセス1で好感を持ったら、サイトのいろいろな所を調べる。
メアドや住所をさらすのだから信頼できるサイトか判断したいし、他の商品との比較もしたい。

まだ、商品との信頼は出来ていないから、(楽天のせいでもあるが)お試しパックを探すなどは真っ先に行われる。お試しがないと、ここで割高感が生まれるが、訪問者は既に興味を持っているので、文章や写真で納得させられれば、購入に繋げることも可能(相当のクォリティが求められる)。
よって、類似商品や個数/価格の違うパックをお奨めすることと、お試しパックは必須表示となる。

また、たとえばこの商品がつまみ系なら、お酒を奨めるなど、関連商品も奨めたい。
さらに全く違う商品を探しに行くケースも多い。
メニューエリアのカテゴリ欄などわかりやすく目立つようにしておくべきで、さらに検索窓も必須である。

というのが教科書通りのLPOだ。
※プロセス3は決済まわりのインタフェースやお問い合わせだから今回は言及しない

上記が全て出来ているサイトは全体の1割もない。

…が、1割に入ってるからウチは売れるサイトだ!と喜ぶのは早い。

ただの論外サイトじゃなくなったサイトというだけだ。



たとえるなら、物凄く良い店を郊外の奥路地にひっそりと作っただけだ。

じゃあ、SEOしよう!SEOしたら表通りの一等地だよね!というのはある意味正しいのだが、しかし、元がむちゃくちゃならSEOも劇的な効果があるが、LPOをきちんとやっているようなデザイン会社やチームが作っているのならSEOもそこそこ出来ているものだ。
※逆を言えばこのご時世にLPOすら出来ていないなら、そのサイトは中身ぼろぼろの偽装マンション状態とか事故車状態です。まともな集客は難しいです。

リンクファーム、擬似リダイレクトなどの手法を使うSEO会社に頼んでも金を吸い取られて、生殺与奪件をその会社に与えて、あげくにペナルティ食らったりするだけですから注意。

SEOも、今じゃさすがに、ストリクトにW3C準拠のxHTML+CSSで作り、Googleサイトマップ、RSS配信を必須とし、キーワードを1~2ヶ月くらいの単位で試行錯誤してみたりといった地道な方法しかないんですよ。
※安くすぐ上げますよ!とか成果報酬型とかいうSEO会社は注意した方がいいですよ。まじで


ところがですね…。
大手ECはそりゃー大手なカンジな金と人数でこのSEOをやってるんですよ。
さらに忘れてはいけないのは、通販しようとするユーザの7割は、最初から「楽天」とか「Yahooオークション」で検索するんですよ。

「牛肉 通販」で検索するユーザなんて、2割くらい。
で、検索結果は楽天が1位w。
1位ということは、この2割のユーザすら、まぁ8割が楽天に行ってしまうということです。

やってられないでしょう?
LPOを完璧にやって、SEOをまじめにやって、やっと来てくれた客から、決済や個人情報で不信な目で品定めされ、訪問客の9割が去っていくわけですよ。
ECはよほど特殊な商材やターゲットでない限り僕は「やめなさい」っていってますがね。
※成功する例:インディーズヴィジュアル系バンドグッズとか超絶フィギアショップとかで、リアル店舗に修学旅行生とかが来たりするような店の拡販

サービスサイトを運営しています、と言われ、僕は真っ先に「その際とはどこから客が来るんですか?」という質問をします。
ここで、何のプランも持っていない運営会社の多いこと。まじで。

サイト作って満足、ひどいのは中身ぼろぼろのサイトの見た目だけ用意されて満足してる会社ばかりです。
もう、追加投資するのにも疲れ果てて、閉鎖の直前で相談に来られる。
僕も地道な正攻法を奨めるし、その効果の程を説明するから、ここではじめて運営の大変さに気づいて腰を抜かす。
で、仕事を逃すわけですがw

というわけで、本題(なげーよ)。
昨日のエントリにあったように、「必死で探してる人」向けの商品をいくらか揃える事がトラフィックラインの確保の中でもかなりコストが低く、客層が優秀なのです。

一回取引したら次回取引のハードルが下がるのは、どの分野でも一緒。しかもロングテールで来たお客は大感謝状態だし。

LPOがちゃんとしてれば、彼らは肉とかお菓子とか買ってくれるんですよ。
本当に良い商材ならば、という絶対条件がつきますが、ここで待ちに待った口コミとインフルエンスが起こります。
ユーザ0人からユーザ1人が一番難しい。ユーザ1人からユーザ2人で少し簡単になる。ユーザ50人からユーザ100人だと大分簡単になるんです。

この一番難しい所をロングテールで担うのが重要。
商材としておもいっきり浮いててもいいんですw。

食品サイトなのに、生産中止のレアなガンプラがある、とかw

そういうのでいいんです。

社長の家からレア盤Jazzコレクションを拉致って、ECサイトに並べるなんて最高の手法ですよ(冗談のようでマジ)。

大手新聞サイトとポータルに広告打つよりはるかに効果がありますよ。
信用の無いサイトがいくら露出を得ても無駄だから。
露出が多くて客が通り過ぎればいいわけじゃないんです。
効果だけが重要なんです。